サンボアを語ろうと思うと、それこそ本が一冊書けそうなくらいの思いがサンボアファンにはあると思う。
もちろん私もそのひとり。
なんでバイクが店の中にあるんやと思ってたら、怖ーいおばちゃんの旦那さんが買い出しに使っていたんだった。無口なおやじさんだった。というか、高校生にしゃべっても話合わんやろうしね。
もっぱらお店は、おばちゃん一人でやってるって感じだった。
銀のカレー皿にご飯を盛り上げて、
「これくらい食べれるか」って聞いてくる。
「うん」
と言うと、それを中華鍋に入れて、なんか炒めているような感じだった。
カレーが出てくるにはけっこう時間がかかった。スタスタと歩いてくるおばちゃんの手にはカレーの載った銀の皿。
「おおっ、カツカレーや!」
でも今まで見たことない黄色いルーに薄っぺらいカツ、そして刻んだキャベツも載っている。
玉ねぎやじゃがいも、人参、肉が無い。キャベツにかかっているドレッシングがカレーにも垂れている。なんだかいや〜な予感・・・
おっと、忘れてはいけない
「いただきます!」
そういって、皿に乗せられたスプーンでまず一口。
「うん〜〜〜ん、辛〜〜っ、けっこう辛いぞー」
となりの友人は、こっちを見て「にやり」。
カツをパクリっ…
「ええっ、肉が無い〜っ」
フニャッとした油のしみた薄いカツ。
「スッパーっ」
「なんじゃ〜こりゃ〜!」
と思わず松田優作になる。